各自、講義ノートをダウンロード・印刷の上、
シラバスに沿って学習していきます。
質問等はメールで(メールアドレスはシラバスに書いてあります)、
回答は原則ここ(授業日誌)に載せます。
授業日誌は毎週更新していきます。古いのが表示されるようでしたら、再読込をしてみて下さい。
参考までに過去の Q&A を再録しておきます。
Q:進度予定表の項目と講義ノート(?)の項目がかなり異なると思うのですが内容は同じなのでしょうか。
また、講義ノートの1項目につき1つ分の講義という認識でよろしいでしょうか。
A: シラバスの項目に挙げてあるのは、講義ノートの内容の一部です。別の言い方をすると、
講義ノートは、授業内容+追加の内容、ということになります。
Q:出席点数はどう付けますか。あと、科目の全体的な評価はどうなりますか。
出席点というのはありません。成績の評価は、シラバスにある通り試験の成績100%でほぼ線型につけます。
過去の授業日誌をご覧いただくと、大体の成績分布がわかります。
Q:講義ノートの中に問がありますが、問の解答はありますか。
A:過去の授業日誌からの引用です。
予想されたことではありますが、問題の答え(それもできるだけ詳しいもの)を欲しいという声が複数ありました。
これについては、授業の最初でも説明したように、苦しくとも自らの手で正否を確認する、
といった意識がとても大事で、できるだけ早くそういった状態になっていただきたい、という意図によるものです。
大学卒業後、皆さんに求められるのはそういう部分だと思うからです。
(答えが、それも詳細なものがわかっている案件など処置する必要はない。)
ただ、問題によっては、あるいは予備知識・経験の多寡によっては、困難を感じることもあるでしょう。
その場合は、できるだけ不明点を具体的に自覚した上で、オフィスアワーの時間なりに質問されますよう。
なお、参考書として挙げた演習書は、授業項目に近い内容になっているはずです。
国を守る最大の武器は、口うるさい国民の存在であるか。
口うるさいことはわがままでも目先の利益を求めることでもなく、おかしいことはおかしいと口に出す理性の発露にほかならず。
今日はテキストの1章ですが、その前に
ベクトルあれこれ
の最初にある「数と量」の解説を見ていただきます。これは誰でも知っているようで、意外にわかっていないことだったりします。
指数関数 $e^x$ で、$x$ に単位つきの量は代入できない(定義できない)、ということを自覚してましたか?
その上で、1章は概ね高校の復習ですが、$o(h)$ 方式の微分というのは、新しいことと思います。
微分を商の極限ではなく、一次近似式と見る際に重宝する表現形式です。
慣れると合成関数の微分とか積の微分の公式が直感的に理解できるようになりますが、
ここではそういう記述の仕方もある、といった程度の認識で結構です。
ついでながら、導関数を表わす記号を dash と呼ぶのは、ある時期のイギリスでの習慣(業界方言のようなもの?)がいつのころか日本に伝わり広まったようで、
正しくは prime と呼びます。
dash は短い横棒を表します。こういう日本独特の習慣は他にもあって、$\not=$ の斜線の傾きとか。
基本的な関数として、べき関数、三角関数、指数関数、対数関数の微分を思い起こします。 その中で、弧度法 (radian) と $e = 2.71828\cdots$ という特別な数が現れる理由を確認します。
微分の計算は、これらに積と合成の微分を組み合わせて計算します。
例えば、$(a^x)' = (e^{x\log a})' = (\log a) e^{x\log a} = a^x\log a$ のように。
今日の内容としては、例1.3の合成関数の微分計算が大事です。必ず確かめておきましょう。
テキストで触れた集合と写像については本格的な本もありますが、取り敢えず
集合入門
程度でも役に立つはずです。機会を見つけて(例えば5月の連休のときとか)読んでみてください。
来週から宿題の提出(任意で、成績に関係せず)があります。
Q: 微分積分学の教科書はいずれのものを購入すればいいのでしょうか。
A: 指定の教科書はありません。
参考書ですが、実物を見て、気に入ったものがあれば購入し利用するのがよいでしょう。
シラバスに挙げておいたものはあくまでも例示なので、それ以外からでも構いません。
必ずしも出版されているものである必要はなく、ネットで公開されている講義ノートを利用する手もあります。
過去の授業日誌で紹介したものにはリンクの切れたのも多いのですが、
浦田先生はお薦めです。
つつじも盛りに穏やかな晴れ間のひとときも、 破滅と隣り合わせの豊かさであったか、目覚めの悪さもまた。
今日は2章、関数の増大度を学習していきます。高校で既に経験済みであれば良いのですが、
初めての人もこれを機会に認識しておきます。
なお、自分はロピタルを知っているから平気、とは思わないことです。
ここで身につけていただきたいのは、増大度のスピード感覚で、多項式、指数関数、対数関数の増え方の違いです。
機械的・形式的に計算できるだけでは不十分です。
典型的な使い方が、(i)極限計算への応用と(ii)関数のグラフの境界点(無限遠方も含む)での様子ということになります。
一通り読み込んだら、宿題をどうぞ。
宿題の提出方法については、上にある「シラバス」をご覧ください。 試験の予行演習という意味合いもあります。
追加の質問です: $y=e^x$ のグラフと $y=x^a$ ($x > 0$) のグラフが交点を持つかどうか。
虫が元気に雨のち晴れ、かなたの海にも。
今日は逆三角関数の導入とその微分、積分による言いかえまでします。
三角関数は周期関数であるため、定義域を制限してその逆関数を考えます。
逆三角関数を表わす記号に arc がつくのは、円弧の長さ(正確には弧度法による角の大きさ)を表わすことに由来します。
アーク・サイン、アーク・タンジェントのように言います。
$\sin$, $\tan$ の典型的な角での値を列挙し、それを逆に対応させることで、$\arcsin$, $\arctan$ の値を求める練習をします。
また、$y = \arcsin x$, $y = \arctan x$ のグラフも描いて見ます。
次に、逆関数の微分を復習し、$\arcsin x$ と $\arctan x$ の微分を求めます。
せっかく微分の公式を導いたので、それを使った積分計算まで練習します。
こちらは、テキストの例4.9にあります。$\arcsin$ を使って計算する例は自分で作ってみます。
連休明けの次回は、まとめと1回めの試験(40分程度)です。先週と今週のところから2題出します。
逆三角関数の微分を積分計算に利用するところも含みます。ご注意ください。
例と宿題を中心に復習します。以前の授業日誌に過去問もあります。
前回の宿題の補足をしておきます。ここでの $x$ は定数で、変化させるのは $n$ の方です。
ということで、$|x| = e^{-b}$ ($b>0$) と表し、
\[
|n^ax^n| = \frac{n^a}{e^{bn}}
\]
と書き直せば、その極限は $t^a$ と $e^{bt}$ ($t \to \infty$) のスピード比較に帰着します。
宿題の提出は、文章で説明するといった訓練も兼ねています。これが実は最も大事だったりします。
ということで、解けたからいいや、あるいは分からなかったので出さない、ということではなく、
どう考えてどこまでたどり着いたかが、第三者に伝わるようにまとめ提出します。
なお、締切と紙のサイズ(A4)は守りましょう。
成績に反映しないとは言っても、例外処理というのは余計な負担を強いることにはなります。
宿題のファイルを、終わった問題に解説を付け加えたものに差し替えました。
気温は穏やかなれど、季節のうつろいに日の見え隠れ、桑の実もそぞろ気がかりに。
今日は、過去2回の内容を軽く復習したあとで1回目の試験でした。
[試験の講評]
概ねできてたように思います。点数は TACT の成績簿で確認できます。
$\fbox{1}$ では、3つのポイント、極値・凹凸・境界点があげてあったのですが、明確に答えていたひとは少数でした。
増減表を書いてそれでおしまい、が多かったように思います。増減表からわかる事実を明記します。説明不足の答案が目に付きました。
2点ついていても、それは 1.5 に近いかも知れず、安心せぬよう。
$\fbox{2}$ (i) では、正接関数の定義域を制限することがわかっていない者がちらほら。tangent の逆関数、と一言で済ませる人もまた多く、それでは定義を述べたことになりません。
(ii) では問題文を提示せずに、いきなり積分計算を始めるひとも結構いました。定積分の問題である点を無視するものが少数ながら。
説明が大きく不足のものは減点。
いろいろと心当たりがあるかたは復習その他、ご対処ください。
最後に点数について一言。1問2点(2問で4点)が満点ですが、
とりわけ良い答案には、3点つけることもあります。ということで、6点中何点という表示になりますが、意味は2満点のままです。
(したがって、成績欄のパーセント表示は正しくない。)
成績簿には合計点が表示されますが、問題ごとの点数はコメント欄で確認できるはずです。
合わない等がありましたなら、ご連絡下さい。
点数の分布です。
5 --- 9人、4 --- 47人、3 --- 28人、2 --- 10人
さわやかに晴れ上がり、桑の実も色づき。言葉は季語に縛られず自由に。
今日は定積分の正しい意味を理解します。標語的に短冊和の極限と言っておきます。
高校でも区分求積法ということで経験があろうかと思いますが、それをもう少し一般化したものです。
これから、様々な積分の性質も導くことができます。そういったことを一通り確認した上で、
微小量の和の極限としての積分の様々な実例に触れていただきます。
物理とかでの実際の応用では、符号付き面積を越えた量のやりくりが普通のことでもあり。
定理4.4(定積分の存在)の周辺は、気になる人が後で読めばよろしいので、スキップします。(次回、説明します。)
それ以外でも既知のところはスキップしていいのですが、それはその人の修得状況によりけり。
判断に困ったらメールにてご相談ください。
次に具体的な積分計算で必要となる積分の技法である「置換積分」と「部分積分」を復習していただきます。
ここのところは、個人的には、高校・大学を通じて誤った指導(特に部分積分が)が蔓延しているように感じているのですが、
それが少しでも改善されると幸い。
元々は高校生向けに書いたものですが、
積分の技法も参考になるでしょうか。
12ページから22ページまで(連続関数の積分に関係したところなどは次回)、とにかく量が多いので(復習もまた多し)、今日の宿題の問題を目標に、取捨選択してください。
この何を捨てて何を拾うかの個人的判断の適否が、今後とても大きな意味を持ってきます。
そのための訓練も兼ねているとお考えください。
ほぼすべての宿題は、AI が答えてくれます。質問には TeX 記法を適宜使うとよいでしょう。
今回の宿題であれば
\int x e^{-x^2} dx を求める、
\int x/\sqrt{a^2 - x^2} dx を求める
\int x^n e^{-x} dx を求める
といった聞き方をします。
なお、部分積分のコツについては、受験数学に毒された解説しか出てこないようです。英語で How to use integration by parts と聞いても似たりよったり。
ということで、マイナーな意見はそれが正しくても無視される傾向にある、と思われます。集合知の限界かも知れません。暴走を煽ることはあってもブレーキを掛けることはできない?
先週の続きというか、やり残した理論的なところを学びます。
積和極限(短冊近似)としての定積分というものは、古代からあった求積法の仕上げとも言える内容で申し分ないように見えるのですが、
その実体を仔細に検討していくといろいろな綾とともに欠点もちらほら。
まずは、こうして定義した定積分の性質を確認します。
(0) 定数関数の積分値(規格条件)
(i) 線型性
(ii) 順序保存(正値性)
(iii) 積分域についての加法性(分点等式)
です。
それと、以上のことから出てくる積分の基本不等式
\[
\left| \int_a^b f(x)\, dx \right| \leq \int_a^b |f(x)|\, dx
\]
も併せてどうぞ。これは、$f$ が積分可能であれば $|f|$ も積分可能である(これには積分の定義の言い換えを使う)、という内容を含みます。
次に連続関数が積分可能であるという定理を確認します。
実は、講義ノートで与えた「証明」には穴があるので、
疑いの目をもって見てください。
それで、とくに不具合が見えなかったら、気にせず先に進みます。
証明のgapに気がついた人は、それはそれはそれで結構なことなので、心にとめてやはり先に進みますが、
夏休みとかのまとまった時間が取れるときに、
これでも読んで穴を塞ぐ作業をしておきます。
実は、積分の性質 (0), (i), (ii), (iii) だけから、連続関数の定積分の積和極限表示とその存在が出てきます。
不連続な関数の積分は、いつでもできるものではなく、できてもややこしいことがいろいろ起こるのですが、
実用的に困らないであろう「不連続な点は有限個でよいものに限る」場合も連続関数の場合と大差なく積分可能であることが示されます。
定積分に関連して、不定積分を導入し、原始関数との違いを強調しておきます。
この原始という言い方ですが、原子とか原資あるいは幻視などと音で区別がつかないので、避けたい気分ではあります。
(音だけで区別がつかない言葉が多用される言語として、明治以降とくに戦後の日本語はものすごく特異というか奇異であるような。)
もっとも不定積分という言い方も不逞積分とか不貞積分のようにも聞こえるので似たりよったりではありますが。
ともかく、連続関数の不定積分の大事な性質として、 微分積分の定理と積分微分の定理(ここでは式の順序に合せておきます)を確認します。 \[ \frac{d}{dx} \int_a^x f(t)\, dt = f(x), \quad \int_a^b F^\prime(x)\, dx = F(b) - F(a). \]
今週は宿題がありませんが、問27、問28、問29のあたりをお好みで。
はや6月、桶狭間である。遠雷の如き港の花火も今はむかし、気温の上り下りも梅雨への一里塚。
今日は、有理関数の不定積分の周辺をあれこれ。
具体的な練習は、既に答えが分かっている場合でするのが良いような。
計算のやりっぱなしは大変危険なこと、答えが出たからと言って安心せず、不定積分であれば、微分がもとの関数になることをチェック。
有理関数の積分はその仕組みが完全に分かっているのですが、
理屈の部分よりは具体的な手続きをいくつか経験すればそれで結構です。
そういう具体的なものを整理・統合したものが「理論」なので。
具体的な問題にまず挑戦し、詰まってから「理論」を見るというのが実践的かと。
最初に、置き換え積分と部分積分の復習を、例4 .12と例4.13 で。
次に部分分数分解の結果を一通り。
最後に、一連の手続きを具体例で確認。
有理関数の不定積分の応用として、有理曲線が関係した積分計算をこれも具体例でやってみます。
積分の計算では、しばしば技巧的な変数変換が登場しますが、
それには諸々の背景があるもので、そういったからくりの一端をここでは学びます。
宿題8は、本文の該当箇所を読んでから解いてみてください。
例4.8の前にある式が出てきます。そういう仕組みです。
来週は2回目の試験です。授業で取り上げた例、宿題の復習を。
最初に軽く積分を復習。微分は手続き、積分は手探りであるが、手探りへの現実的な対処法としての
「心得」を説明しました。うろ覚えの公式を無理やり使うよりはましかと。それと、積分の公式の次元解析。
その後2回めの試験。
[試験の講評] やさしかったはずですが、それなりに点差が。
説明不足の答案も目につきました。
$\fbox{1}$ 直前に復習した微小和の極限としての定積分を使った説明を期待したのですが、そのような人は少なかった。
そもそも扱っている量が積分とどう関係しているかを問うているのに、
「これこれが積分で書けるから」というのは、説明になっていません。苦し紛れというよりは無礼です。
AI に聞いてどのような回答が返ってくるか、チェックして比べてみてください。
$\fbox{2}$ これは部分積分の計算をヒントつきで出したのですが、(i) で躓く人が結構な人数に。
積分は範囲が広いとはいえ、勉強不足の人が目立ちました。宿題の提出を疎かにしていないでしょうか。
点数の分布です。
5 --- 13人、4 --- 32人、3 --- 34人、2 --- 16人
点数が思うように積み上がらないという方は、基礎的なところを復習するなど早めの対応を。何から手を付けてよいかわからないようでしたら、
具体的な状況をメールでお知らせください。
梅雨の本番、紫陽花も色あざやかに、桶狭間。
今まで、高校の復習のようなことをしてきましたが、今日からが本番というか、最初の山です。
テキストだと「関数の状態と近似式」の項です。
まずは、一次近似式を接線と関連付けて幾何学的に理解し、ついで近似計算と極限計算への応用をしてみます。
次に、一次近似式の誤差項の積分表示に進みます。部分積分の応用にもなっています。
この積分表示の近似から2次の近似式が導かれます。
2次近似式についても近似計算と極限計算への応用をやってみます。
そのあとに出てくる凸関数の不等式と変曲点は、軽く眺める程度で結構です。
Q: 例5.1~3の近似式を $f(x)≒f(a)+f’(a)(x-a)$ を使って求める方法がわかりません。
A: 5.1, 5.3 であれば、$a=0$ として、上の近似式を書き下します。5.2 は $a=r$ で $\Delta r = x-r$ の意味です。
どの文字がどの量に対応するかは、状況に応じて適宜読み替えます。
Q: 講義ノートの23ページ中ごろの
$\int_a^b f'(t)dt−f'(a)(b−a) = \int_a^b f''(t)(b−t)dt$
の部分に関して
上式の上の式を積分したのなら $−f'(a)(b−a)$ ではなく $+f'(a)(b−a)$ になると思うのですがどうでしょうか
A: $[f'(t)(b-t)]_{t=a}^{t=b}$ なので $-f'(a)(b-a)$ です。
前線は南に、水分多めの一日、麦のあとに刈谷の西瓜。
前回の2次近似式を受けて、$n$ 次近似式を学習します。
テキストだと、p.32からp.40にかけて。
量が多いのですが、そのうち、定理6.2、例6.4、オーダー記号、定理6.8、例6.9、
例6.12、例6.13、例6.14、例6.15、例6.16。
これでも多いかも知れませんが、何しろ最初の山なので。
このうち、定理6.8 は、前回導いた誤差項の積分表示の
拡張になっていることを確認するだけで前に進むことも可能。
それでは気持ち悪いということであれば、
2次近似式の誤差項を3次導関数の積分として、部分積分により導いて見ます。
帰納法のお作法を形式的に書くよりは、公式の正しさが実感できるかと思います。
テイラー近似を、近似計算と極限計算に応用する、
そしてそれを表現する便利が記号・考え方であるオーダー記号 (O-notation) についても経験を積むとよいでしょう。
まずは、テイラー近似式の意味をオーダー記号とからめて理解します。
近似式を具体的に求める際は、公式を機械的に使うよりも、基本関数の近似式(これは覚える)の組合せで処理します。
そのための一連の手法が上で挙げた例に入っています。最低でも代入法の簡単なものとして、質量とエネルギーの等価公式の近似式をやっておきます。
また、$e$ の近似計算を通じて、誤差の見積もりの仕組みを再確認します。
参考になりそうな動画をいくつか挙げておきます。
テイラー展開
テイラー展開の気持ち
O記号の定義
あじさいに陽の光、梅雨の中休み。
今日は、テキスト p.45-49。
その前に、先週やり残した $e$ の近似値計算から。
テイラー近似式を極限移行させた級数表示(テイラー展開)を5種類の基本関数について確かめます。
その際、収束範囲に注意します。
証明も難しくはありませんが、まずは、近似式を補足する情報という認識でよいかと思います。
むしろ、前回の多かった内容を再度見直す機会と捉えて、極限計算と無限小のオーダーの復習をしてみてください。
最後に、p.48 にある積分を使った級数表示の方法を知っていただきます。
これは、テーラー近似式を導く際に使った積分表示に比べて、もっと単刀直入な関数表示を与えてくれます。
ただし、関数の具体的な形に依存するので 万能というわけではありませんが、使えるときはかなり重宝します。
有名な $\log 2$ の級数表示にも役立ちます。
次回は いよいよ3回目の試験。例と宿題を中心に復習しておいてください。
台風のような梅雨のような、いつもの異常気象、天も人も狂うばかりに。
今日は、復習のあとで3回目の試験でした。
[講評]:全体として詰めの甘い答案が目につきました。
$\fbox{1}$ (ii) で、2次近似式を利用するもの極めて多し。誤差の評価をしない議論では不十分です。
$\fbox{2}$ (i) で $x$ の範囲について言及するもの皆無に近い。
\[
\log(1+x) = x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3!} - \cdots$ のように階乗を書くもの多し。
多項式の計算で間違えるもの、これまた多し。全体として、テイラー展開については期末で再度問うことになるでしょうか。
点数の分布です。
5 --- 15人、4 --- 44人、3 --- 28人、2 --- 6人、1 --- 1人
Q: 試験問題の解答を教えてください。
A: 問題を AI (例えば google の AIモード)に投げると、完璧な答えが手に入ります。お試しください。
例えば、1回目の問題1でしたら、
関数 y = x log x + (1 − x) log(1 − x) (0 < x < 1) のグラフの概形を、極 値・凹凸および境界点での様子に注意して描け。
のように尋ねます。
問題を作る問題では、ありきたりの問題が表示されるかも知れません。そのときは、「部分積分を使う」などの条件を追加してあげれば、それに見合ったものが出てきます。
AI 利用のコツは、いかに適切な質問を用意するかにあるようで、そのためには、質問者自身の地道な鍛錬が必要になります。この部分は before AI も after AI も変わりないように思います。
勉強に手抜きは禁物ということでもあります。
なお、AI に質問を投げるときは、問題の pdf ファイルからのコピペが楽なので、問題文の pdf を試験日の日誌から表示できるようにしておきます。
AI を利用した感想などをお寄せいただければ、この日誌で共有したいと思います。
空けようが空けまいが最低気温はじわりと、サルスベリのくれないも鮮やかに。
今日は7節の広義積分です。
まず、べき関数 $y = \frac{1}{x^\alpha}$ ($x>0$) のグラフをかいてみて下さい。
$a$ が $\alpha=1$ より大きくなる、あるいは小さくなるときグラフがどのように変化するか観察します。
その上で、
\[
\int_0^1 x^{-\alpha}\, dx = \lim_{s \to +0} \int_s^1 x^{-\alpha}\, dx
\]
\[
\int_1^\infty x^{-\alpha}\, dx = \lim_{t \to +\infty} \int_1^t x^{-\alpha}\, dx
\]
を計算してみます。
発散するか収束するかが $\alpha=1$ を境に変化する様子を、先程観察したグラフの変化と比べてみます。
連動していることに気づいて欲しいのですが・・・。
なお、$\alpha=1$ は常に発散します。このタイプの発散を対数発散といいます。
発散はすれど、そのスピードが遅いのがその特徴です。かろうじて発散しているという感じのものです。
広義積分の境界での処理では、数列のスピードがしばしば問題になるということも押えておいてください。
ついで例7.2をやり、定理7.4を納得します。
その上で、例7.5、例7.6、例7.7 を一気にします。ガンマ関数という言葉も。意味は階乗関数。
最後に、今日の宿題をやってみます。
3回目の試験結果を確認しておいてください。先週の日誌の講評も。 期末試験は、3回目までのところから2題、新たな内容から2題の予定。過去の不十分点の復習を。
成績のことについて質問がでましたので、再度書いておきます。
点数の意味については「試験1」の日誌をご覧ください。
ボーナス点がついた人は、それも最終成績に加点されます。ということで、合計得点が20点を越える人も出てきますが、12点以上合格のルールはそのままで、
変更はありません。合格者の細分である grade についても ボーナス点による加点が反映されます。
気温もさることながら、この湿度の高さの狂いように、セミは季節を忘れず鳴き急ぐがごとく。
いよいよ最後の学習内容の級数ですが、広義積分の応用として少しだけにします。
残りの時間は、試験範囲の総復習になります。
宿題17も取りやめにします。ご注意ください。
来週は4回目の試験です。時間は80分、点数も2倍。試験範囲は、過去3回行った試験のところから2題、広義積分と級数から2題です。
とくに、成績の思わしくなかった(理解が十分でなかった)ところを重点的に復習しておいてください。
なおもっと勉強したい人のために、以下の以下の手引も残しておきますが、こちらはお好みで。
これを苦手にする人も多いかと思いますが、理由は単純で、経験不足、これに尽きます。
数を次々と足していった極限のことですが、それが存在する(収束する)と、
次々加える数は $0$ に近づくことになります(命題8.2)。
しかし、逆は正しくない。
例8.3で対数発散という現象を、広義積分の応用として学びます。
さらに、命題8.5と例8.6で知識を補強します。
その後に書いてある「和の一般論」は、余裕があればどうぞ。
ただその中に出てくる、一気の和(総和という)が考えられる場合(絶対収束という)と、
そうでないない場合(条件収束という)は、本来、明確に区別されるべきものです。
テーラー展開で現れる級数表示は、基本的に絶対収束します。
広義積分でも同様の現象が起こることにも注意します。
Q: 微分積分学の例の8.18の(3/2)log2がなぜそうなるのかわかりません。
A: これは、$p=2$, $q=1$ の場合なので、
\[
\log(2\sqrt{\frac{2}{1}}) = \frac{3}{2} \log 2
\]
となります。
総和について追記します。
和は順番に足すものと思い込んでいる人も多いと思いますが、
本来は一気に足し上げて良いもの。それができるか否かが「絶対収束」かそうでないかの違いになります。
級数の積を表示するのに
\[
(\sum_{j=0}^\infty a_j) (\sum_{k=0}^\infty b_k) = \sum_{n=0}^\infty c_n,
\quad
c_n = a_0b_n + a_1b_{n-1} + \cdots + a_nb_0
\]
というのが良く本に書いてあって、どうして好きに足してはいけないのか、と思うあなたは正しい。
これ以外の足し方は許さない、といった風潮はとても危険です。
総和法は、数学科の学生でも知らない人が多いくらい、触れられることがまれではありますが、
極めて基本的な考え方であると常々思っていたのが、講義ノートの記述になりました。
まあ、迷惑といえば迷惑な話かも知れないので、普通は授業で取り上げたりしません。
匂わすだけです。心ある人にだけ伝われば、という思い。
いよいよ炎夏の到来、最後の一仕事。
今日は 4回目の試験でした。
これまでの試験問題の類題から二つ、広義積分の基本、同じく級数の収束の基本の一部から一題ずつ。
満点続出と思いきや、これで十分差がつくという経験則。
試験の講評:ボーナス点をふるまったせいか、8点以上がかなりの人数になると同時に点差もつきました。
$\fbox{1}$ は、パラメータの値で場合分けすることを忘れている、手抜きの答案が目立ちました。
$\fbox{2}$ (i) では、効率的な計算をせずに、そのまま公式に当てはめる、というのが多かった。結果、時間が足りなくなったものと思われます。
(ii) のそれを使った極限計算も正しくできた人は少なかった。
$\fbox{3}$ 広義積分の定義に則った、
$\lim_{x \to +0} \int_x^1 \log t\, dt$ にふれるものが少なすぎました。
$\fbox{4}$ 直前の授業でやったことですが、それを復習したと思われる人も数えるほど。それよりも何よりも、
\[
\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n^p} \not= 0
\quad
(0 < p < 1)
\]
という、とんでもないことを書く人が少なからずありました。
形式的なところをまる覚えして、考えずに処理しているだけにも見えます。
とても危険なことです。心当たりのある方は、もう一度基本からの復習を是非。
復習のための問題です。
(i) $p>0$ をパラメータとして含む $x>0$ の関数 $f(x) = 1/x^p$ のグラフを $x = +0$, $x = \infty$ での様子に注意して描け。
(ii) $p>0$ の選び方によらず、$\int_0^1 f(x)\, dx$ および $\int_1^\infty f(x)\, dx$ は、限りなく細くなる図形の面積を表わすが、
$p$ の選び方次第で、有限にも無限大にもなる。その違いを $\lim_{x \to +0} 1/x^p$ と $\lim_{x \to \infty} x^p$ の無限大のスピードの観点から説明せよ。
点数の分布です。
12 --- 1人、 11 --- 5人、10 --- 6人、 9 --- 8人、8 --- 11人、7 --- 17人、 6 --- 13人、5 --- 22人、4 --- 8人、3 --- 2人、1 --- 1人
夏の月に儚き夢も数えるほどに。
Q: 試験は20点満点ということなので、17点は100点換算だと85点になるのですが、A 評価ではなくB評価でした。その理由を教えてください。
A: まず、名古屋大学の成績ルール
にあるように、パーセント表示はあくまでも例示であり、個々の授業を縛る絶対基準ではありません。
ご存知のように、0,1,2 の三段階評価の場合、2 は切り上げによりどうしても点数が実際よりも上になります。0 はその逆です。
これを多数回繰り返すと、上位の点数は実際よりも大きく、下位の点数は小さくなります。
一方、中間である5割前後は、それが相殺される結果、より信用できる数値となり、合格最低点である6割はそれが根拠になっています。
ということで、合格者の中のグレード評価は、ボーナス点も加味したものとなっており(このことは広義積分の回にも書いてあります)、たとえ合計点が20点でも A+ にはならないのでした。
4回の試験の合計点の最高は24点でした。参考までに。