進度予定表を見るとわかるように、項目の配列が大抵の本と異なる。 重要度と接続性の兼ね合いもあって、 これは、わざとそうしているのだが、世に数多ある本に書いてある通りに勉強したければ自由にしてよい。 ただ、関数の連続性への深入りはせぬほうがよい。 それよりも、近似式とか不等式による評価の経験を積むべきである。 急がば回れ、これが数学的厳密性への近道でもある。 なお、講義ノートは、自主学習に耐え得る程度には書いたつもりではあるが、理解する上で障るところについては、 臆せず尋ねることを強く勧める。
参考資料など:
今日もいきなりの暑さ、10月とも思われません。昨日と同じ今日が明日も続く、などど期待してはいけません。 と3年前に書いた通りの陽気でした。エアコンは、やはり機能しなかったようで、涼しくなることを願うだけです。
本日のメニューは、
2変数関数のグラフとしての曲面、ガウス積分、重積分の定義、分属アンケート
でした。
宿題のルールを書いておきます。
締切は、次の週の火曜日12時。
日頃の勉強のきっかけにするためのもので、提出の有無は成績に関係しません。
今日の宿題は、問2と3です。
オフィスアワーは、木曜12:30−13:30です。 Cafe David は、月木(16:00−17:30)、火水金(12:00−13:30)だそうです。
重積分の定義は鬱陶しいのですが、淡々とできぬ悲しさ。 密度解釈 \[ f(a,b) = \lim_{D \to (a,b)} \frac{1}{|D|} \int_D f(x,y) dxdy \] とかは、できれば来週にでも。
今日も教室は朝から暑いくらいでしたが、自然換気で何とか。 朝夕は涼しくなりました。
本日のメニュー:
重積分の性質、くりかえし積分、計算例、そして広義積分。
来週は早くも1回めの試験。2題/45分。
(絶対収束する)広義重積分に対してもくり返し積分の公式が成り立ちます。
ただし、その証明は結構面倒。素朴な体積の存在とその計算と割りきって、納得していただくのがお勧めです。
過度の厳密性は却って数学的心から遠ざかるが如し。
それよりも何よりも、くり返し積分を具体的に練習しておくことが肝要。
上で予告した密度の関係式は、来週の復習時に回します。
穏やかな日に山は衣替え、錦繍綾なす御嶽山。
復習など:
立体は、様々な切り口の形状の変化から理解できます。
重積分の計算では、くり返し積分が基本ですが、どういう切り口を考えるかも重要です。 その選び方によっては、計算できたりできなかったり。
補足など:
重積分の記号としては、変数の数だけ積分記号を並べるという書き方も一般的ですが、 和の記号($\Sigma$)がそうであるように、本来は変数の数と無関係に使える(使うべき)ものです。 \[ \sum_{範囲} \Longrightarrow \int_{範囲} \] という具合に。
通常の教科書では触れられないことですが、微分積分の公式の多変数版としての密度解釈は、 重積分の表す量の意味を理解する上でも重要です。 質量$= \int 質量密度 dxdydz$、電荷$= \int 電荷密度 dxdydz$ のように、 物理で現れる三重積分はそのようなものですし、 少し後で出てくる繰り返し偏微分が、くり返す順序に依らないことの証明にも使えます。
1回目の試験をしました。
[試験の講評]
$\fbox{1}$, $\fbox{2}$ ともに概ね出来ていました。
ただ、$\fbox{1}$ (ii) の積分計算を間違えた人もちらほら。
$\fbox{2}$ (ii) では、$D$ の形を無視して、
\[
\int_0^1dx \int_0^2 dy
\]
の計算を始める人も何人かいました。心当たりの方はしっかり復習を!
パラメータ $a=-1,-2$ の場合の例外処理まで正しく計算できていた人には、点数を追加しておきました。
穏やかな日が続いてます。日中は、汗ばむような、それでもさすがに朝晩は、 といったところ。
本日のメニュー:
偏微分、積分のパラメータ微分、偏微分の順序、鎖則
と盛り沢山でした。
偏微分の計算は、どれを変数と思うかの心の切り替えが必要ですが、
基本的には形式的なものです。それでも、練習しておかないと間違えます。
Chain rule の証明の最後の方で出てくる近似 \[ \int_b^{b+ \Delta y} f_y(a+\Delta x,y) dy \approx f_y(a,b) \Delta y \] は、左辺の積分が細長い長方形状の面積を表すことからわかります。
積分と微分の順序交換は、一様収束の議論を持ち出さず重積分と偏微分を組合せて処理しました。
これも重積分を早々と行ったご利益の一つです。通常の配列だと、最後の方にならないと出てこないので、
いろいろと不自由します。
おっと、こういうことは言わぬが花でした。教師は世話を焼き過ぎぬよう、お上はちょっかいを出しすぎぬよう。
「天の声」を無邪気に発して、責任は現場に取らせようとする輩の多いこと。
真に創造的活動は放置の中からこそ。混沌は七日目にして死すという。
試験結果の掲示はもう少しお待ちください。
週ごとの弱い前線の通貨のたびに気温が下がって、紅葉も里まで、といったところ。 ここから冬への移行が早いような。
本日のメニュー:
一次近似式と微分、曲面の方程式と接平面
でした。先週説明した Chain Rule を利用しましたが、本質的に同じ内容です。
(こちらを先に説明して、それから chain rule を導くことも可能です。)
微分の正体についても説明しました。
多変数の場合、一次近似式が成り立つことをもって微分可能であるというのですが、
肝腎の微分が何を意味するのか書いていない本もあったりして、混乱気味です。
実際のところ具体的な計算は偏微分に基づくこともあり、あまり困らないというところもあるのですが、
用語はともかくとして、線型代数との連携が必要な箇所ではあります。
が、それがうまくいっているかというと、なかなか。
カリキュラムをシンクロさせるというのは、昔、某大学で試みたこともありますが、結構面倒です。
まあ、そういった[穴」を自ら埋めていくのが、大学で学ぶべきことなのかも知れません。
来週は、2回めの試験です。
授業の中で取り上げた例と宿題を中心に復習しておいてください。
1回めの試験結果を掲示しました。ご確認ください。
数理学科への分属説明会が11月4日(水)15:00から多元数理棟であります。 決めている人もまだの人もどうぞご参加ください。
今日も穏やかな一日と言ってよいでしょう。終わりの予感とともに。
復習と2回目の試験をしました。 中間アンケートも実施しました。
試験範囲は狭かったのですが、2回の授業のそれぞれから一つずつ、それも宿題にからめて、ということで、 いろいろ考えた末に、今回は chain rule を見送りました。(期末試験で取り上げる予定です。) 機械的な計算だけでは失礼かと思ったのですが、どうでしょうか。 簡単なことをあれこれいじってみる、というのが意外と大事なのですが、 はてさて。
[試験の講評] $\fbox{1}$ は部分積分で計算している人が結構いました。
パラメータに関する微分の意味がわからなかったようで、迷いましたが、手段は問わず、
正しい答えを導いていた人は敢えて減点しないことにしました。
$\fbox{2}$ の方は、法線の表示式が接平面の方程式になっている人がちらほら。
前期の線形代数の内容なので復習しておいてください。
ヒントはあくまでもヒントなので、それを丸呑みにした解答はまずいのですが、
こちらも敢えて減点しませんでした。図形的な意味を考えての説明が必要なところです。
あと、計算するとわかるように、候補点が2つみつかるのですが、そのどちらが本当の最小点かは、
距離を実際に計算して判断します。そこの部分に言及した人は数名程度でした。
また、苦しんでいる人も目についてきましたが、敢えて呼び出したりはしないのですが、
是非オフィスアワーなどで相談を!
この辺りからあと数回にかけては直感に基づいた説明が中心になるため、もやもや感を抱く人もいるでしょう。 多変数の微分の厳密な取扱を知りたくなったら、 Jean Dieudonne の Foundation of Modern Analysis をお勧めします。 日本語訳もあるのですが、今は版が絶えているようです。元の英語版を読みましょう。 英語版だと、電子書籍 (Kindle版)が購入可能で、これが800円程度。 読む前に、epsilon-delta 方面の準備運動が必要です。いきなり取り掛かると、溺れます。 蛇足ながら、Dieudonne の本でも、積分の部分は今一つですね。何とかしたいと思いつつはや十数年、 といったところ。
今日は寒くもない薄曇り。街路樹の色もまた好ましく。
忘れないうちに書いておきます。
来週は都合により休講(オフィスアワーもなし)ですが、宿題の締切は予定通り、17日(火)の昼まで。
本日のメニュー:
置換積分、変数変換、ヤコビアン公式、例、密度公式
でした。変数変換に一次近似式を適用し、体積密度の公式を導いて直感的に説明しました。
行列式の幾何学的意味ですが、書いていない教科書もあるようなので、例えば、
これ
を挙げておきます。
しかし、教科書というか担当者次第では、線型代数の扱いに差の出るところというべきか、
行列式の幾何学的意味よ。あと、3元連立一次方程式の幾何学的解釈もそう。
本によっては、まったく触れていないものもあり、要注意。
業務連絡的ではあれど、来年、線型代数を担当することになりそうなので、メモ。
しかし、くだらん形式の整備よりも、カリキュラムの実態の不具合を何とかすべきものを、
そういう方向には意は揃わぬ虚しさよ。15年前の労苦も徒花というべきか。
前線のあとの快晴、朝の冷え込み。御嶽山も再び白の装い。
本日のメニュー:
3重積分の変数変換、微分作用素の変数変換
でした。chain rule の計算力を鍛えるための良い題材ではありますが、
やはり、おとなしく、Jacobian だけに留めおくべきでしたか。
微分作用素の変数変換の分かりにくさの原因は色々ありますが、一つは、計算の元となる chain rule の式が、
新変数での微分が旧変数での微分を使って書き表されるという逆の対応にもあります。
ただ、その関係式は連立一次方程式で、
それを解くだけなのですが、直接的ではありません。
この微分作用素の変数変換のことを解説している本は、不思議なことに、有名無名問わず、ほとんどありません。
一方、応用方面ではしばしば出てきますので、入れておきました。
宿題は、32と34ですが、34の方は、2次元の場合の計算を実行する問題に変更します。
来週は、3回めの試験。重積分の変数変換と微分作用素の変数変換です。 非常に基本的なところを問うようにしたいと思いますが、それでも計算練習は不可欠です。 お忘れなきよう。
今日は12月らしい寒さかな。温室のような教室はちょうどよい感じでしたが、木々の葉も残り少なく。
常のごとくわざとらしい復習の後に、3回目の試験をしました。
試験は試験として、微分作用素の変数変換は、馴染みのない分、大変かと思いはしましたが、 その馴染みのないこととかにどう立ち向かうかというのが、その内容以上に貴重かも知れません。
[試験の講評] $\fbox{1}$ はほとんどの人ができていた、と思いきや、
厳密に2点だったひとはほんの数名。$r$ についての積分が $a \geq 2$ で発散することを無視するもの大多数。
広義積分は前期にした内容ですが、重積分でも普通に現れます。
ということで、この部分は、期末試験でもう一度確かめることにします。
これに、比べて $\fbox{2}$ は、直前の復習が効いたか、多くの方ができておりました。
ただ、微分作用素を全く理解していないものもちらほら。そういう人には、直前の復習は迷惑だったようで、
かえって混乱の素だったような。
温風を伴った台風のような嵐が夜半から続いて、暖冬を実感。 風邪がはやっているようです。
授業も残り少なくなってきました。最後の山場の多変数の極値問題です。
本日のメニュー:
極値と停留点、2次近似式、2次式の解析、ヘッセ行列と極値の判定。
と、これは3年前と寸分違わぬ内容でした。
2次式の解析のところは、少し(大分)手を抜いたので、それがどう影響するか、
たぶん影響はないでしょう。皆さん、ブラックボックスとして処理してしまうので。
しかし、線形代数と微積分の接続の悪さかな。この問題は10年以上前に検討済みで、
答えも出ているのだが、一人では如何ともしがたし。
隙間は、仮にそれが大きいものであっても昔は皆が勝手に埋めていたものであるが、それがそうもいかなくなって久しく、
見かけだけの、というよりは、勘違い甚だしき教育政策の犠牲のたどりつく先は、ため息混じりのもったいなさで
あるか。
ついでに怒りにまかせて書いてしまいます。軽減税率をどうするかの報道がこのところ頻繁に行われていますが、 なぜに食料に限ろうとするのか意味がわかりません。社会のインフラということで、 公共性高いもの(電気・ガス・水道、灯油、バス・鉄道、それと新聞の類)をまず対象とすべきでしょうに、 日本人は上から下まで朝三暮四のレベルですらない、とは思いたくないなあ。
久しぶりの冷え込みに、御嶽山の白さもいや増して。 もうすぐ冬至である。気温の極点は、夜明け前に訪れるという。 果たして世界の夜は明けるのであろうか。 物質的な飢え寒さは人を粗暴にはしない、寄り添うだけ。 魂の飢餓をこそ憎むべきか。
本日のメニュー:
停留点の分類(復習)、等高線と等位面、正則点と陰関数定理、特異点での様子、
でした。極値の二次判定の意味は、等位線(等位面)の特異点=停留点の周りでの様子と関連付けることで、
より理解が深まります。一体のものと心得てください。
一方、正則点の周りでの様子から、滑らかな陰関数の存在が導かれます。こちらも、併せて復習しておいてください。
過去にも書いたことですが、年寄りは同じ話を繰り返すもの、
微積分の本で level set についての説明がなぜないのか。不可解なことです。
不可解は世の常ではありますが、せめて数学だけでもというささやかな願い。
本日のメニュー:
等位面と正則点(復習)、条件つき極値、ラグランジュ乗数、例2つ
でした。今日は、補講日ということもあり、静かでしたが、思いの外出席者がいたような。
ラグランジュ乗数の物理的意味というのもいくつかあって、 力学における抗力の大きさや熱力学での条件つき平衡を特徴付ける熱力学的関数、といったこともできれば説明したかったのですが、 今の教育システム(数学と他の科目との関係)では難しいのかも知れません。というようなことを3年前に書いてあったのだなあ。 代わり映えのしないことよ。
今日の宿題の提出期限は、1月12日(火)昼までとします。 あと、1月15日(金)は10:30−12:00を特別オフィスアワーとします。 期末試験前の質問等どうぞお気軽に。
学習相談日は閉店間際に一名。リー群とかリー環の話をひとしきり。
これも含めてオフィスアワーが機能しない原因はいろいろあるのでしょうが、
授業時の質問の少なさと関連しているのでしょう。
もう少し chaotic な雰囲気が広まればとも思いつつ。
ようやくの寒さが到来。冬晴れの中にも梅への思いをしばし。
本日のメニュー:
ガンマ関数と広義積分と変数変換、授業アンケート
でした。
来週は、最終、4回目の試験です。 教室がC33に変更になります。ご注意ください。
授業アンケートの自由記入欄から
不合格点でも単位をください>これはできませんが、せめて再試験が受けられる成績を残して!
黒板の使い方が下手・文字が小さい>反省しております。その場でご指摘いただければ、もう少し対応できたかもしれません。
講義ノート一覧にあるファイルが古いので混乱する>ご指摘ありがとうございます。手遅れかと思いますが、
新しいファイルを参照するように直しておきました。
レポートのコメントが「解答参照」だらけ>確かにそういう場合もありましたが、それだけではなかったかと思います。
オフィスアワーとかでお尋ねいただければ、より効果的だったかも知れませんね。
その他の肯定的なご意見>こちらこそ、ありがとうございました。
朝から雨の南岸低気圧というのでしょうか、 最終試験をしました。
今回はいつもの倍の試験ということもさることながら、1ヶ月近く休んだことの悪影響が心配でしたが、 それなりに、といったところでしょうか。
最終成績の掲示を出しました。シラバス通り、12点以上が合格です。
疑問点がある場合は、2月5日(金)までにご連絡ください。
残念ながら不合格になった人も再試験の可能性がありますので、諦めずに勉強を続けてください。
そうして、微積分を自分のものにしてください。
そのためのサポートは引き続き行いますので、気軽にご相談ください。